祖母や伯父、伯母は福島県の石川町という場所にいた。
母の生まれ故郷でもある小さな町だ。
それでも昭和40年代から50年代くらいまでは栄えていた町だったと思う。
商店街もけっこう大きく、町にあった学法石川高校が毎年のように夏の甲子園に出場していて町全体が高校野球で浮かれていた。
町の半分以上は山の囲まれて平野の部分だけが町として活用されていた。
しかし今ではかつて畑だった広大な山を切り崩してショッピングモールを作り、おかげで商店街のシャッターがおりてしまった。
人口も減り、高齢化が進む典型的な地方の町。
僕が幼少期を過ごしたその頃から祖母も伯父も伯母も石川町では顔が広かった。
というのも祖母は町で有名な保健婦(現役の頃は保健所勤めだった)、伯父は中学校の先生から教頭、校長になった人、伯母は町役場でもやり手でとにかく有名人。
季節になるとお中元やお歳暮が奥の部屋に信じられないほど積み上げられジュースやお菓子に事欠かなかった。
町を歩いていても、医者に行ってもどこでもみんなから声を掛けられた記憶がある。
親戚に子供が少なかったせいもあるのか親戚一同によくかわいがってもらった。
だけど根本的に親とは違う、親身に接してくれるけどいまひとつ踏み込めない何かを感じていたように思う。
そんな僕を察したかのように親戚はとにかく可愛がってくれた。
でもとても寂しかった。
欠落感。。。
だったのだろうか?
年齢的なこともあるがよく理解できぬまま時は過ぎた。
だんだんと内向的になり自己否定感を感じる自分がいたと同時にへんなところが大人のようなところがある子供だった。
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